歓声、歓声、歓声。時折カワイイ女の子の声。ちなみにあたしは混ざってない。
我が学校には、名物の男子四人組が居て。まるでどっかの漫画に出てくる金持ち四人みたいだけれど、あいつらは別に金持ちでもなんでもないと思うし、普通の家庭である。もしかしたら、上流階級なのかもしれないけれど。まぁ金銭面なんてどうでも良い。
彼ら四人は、バンドを組んで、良く放課後ライブ、やら学園祭での公演、やら色々やっている。しかも、曲はメンバーの自作。これは、尊敬せざるを得ないし、それにどっかのビジュアル系より全然良い曲なのだ。
今日はそんな放課後ライブの日だった。
月に一度ほど行われるこのライブは、生意気にチケット制だったりする。ライブ一週間前に、抽選会があり、当たった人のみが聞ける。舞台は中庭の特設会場。まぁ、当たらなくても割と風に乗って聞こえてきたりするけれど。
そして、教師も聞きにきたりしているのだから・・・ますます、驚きである。
音が鳴り止んで、曲が終わった。歓声は止まらない。
舞台の上の四人がこそこそ話している。
そして一番中央、最前で歌っているアイツが、マイクを手に、とった。
「アンコールにお応えして・・・ラスト一曲!!」
これはオリジナルではなく、カバーだった。でも、いい感じにアレンジが効いていて。
そして悔しくも。アイツの声は、この曲にぴったりだった。